函館からフェリーで大間へ、ブランドマグロを食す!

四季折々の風景、日本の情緒あふれる四季の顔を楽しむには、旅行が一番!

北海道に住んでいますが、コロナ騒動前の2019年、函館からフェリーで大間に渡りました。青森市へ渡る方法もあるのですが、観光の目的はどちらかと言えばマイナー志向。大間のマグロと作りかけの原子力発電所。そして風間浦村の下風呂温泉と恐山を目指したのです。ワゴン車に妻と二人、愛犬を連れての旅でした。函館ー大間ルートを選んだ理由のひとつには愛犬の船酔いが心配だったこともあります。わずか1時間程度の船旅。犬には、さほどの負担ではなかったようです。

大間の原子力発電所は観光地ではないのですが、興味があって遠巻きに眺めました。ブルーシートで覆われた巨大なエリアは重々しい感じだったことを覚えています。その麓にあったのが「あさこはうす」。原発反対を唱えて立ち退きを拒否した女性のお宅です。ソーラーパネルや温水器などの設置された小さな木造住宅と広い畑に犬がたくさんいました。どなたもいらっしゃらなかったのですみやかに帰りましたが、造りかけの巨大な原発とのコントラストが印象的でした。

そして、迎えた昼食。大間と言えばマグロが有名です。数ある料理屋、民宿の中でも「海峡荘」は断トツの人気。裏手にキャンプ場もあり、多くの旅人の空腹を満たします。出されたお刺身のひと切れの厚みに驚いたのは言うまでもありません。カットステーキのようなマグロの刺身。ホタテ、ウニと海の幸高級食材てんこ盛りのランチでした。このランチを食べるためだけに訪れたいと思った次第です。

大間から国道を南下すると、風間浦村という本州最北の村です。井上靖の小説「海峡」のモデルになった村です。海沿いの岸壁にへばりつくような小さな漁村で、どこを歩いても風情たっぷり。文豪が愛したのも頷ける村です。この村のアンコウ料理も有名なのですが、大間でマグロを堪能したばかり。

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ひとっ風呂浴びようというのが足を停めた目的です。知る人ぞ知る名湯「下風呂温泉」。何百年もの昔から湯治場として地元はもちろん、旅人の疲れを癒してきたそうです。温泉旅館の日帰り入浴もありましたが、利用したのは公衆浴場の「大湯」。ひなびた感じの建物が、昭和を思い起こさせノスタルジックな印象です。こういうタイムスリップ感も旅行のだいご味のひとつと言えるでしょう。

お湯は濃厚で、とにかく熱い湯。死ぬほど熱い湯にさらりと浸かる地元民に驚嘆したのは言うまでもありません。思い切って浸かって、体中が真っ赤っかになりましたが、浴後はサラリ。湯切れが良くて、何だか身体中の汚物をすべて吐き出したような感じです。温泉好きの私にとって、生涯最高の温泉となりました。

風間浦村から少し南下して山の方へ車を走らせると、恐山。北東北随一の観光名所でもあります。てっきり多くの観光客がいるのかと思っていたら、季節はまだ5月。場所によっては雪も残っているため、ほとんど貸し切り状態でした。この恐山の中にも温泉があったのは驚きです。白濁した濃厚な硫黄泉は魅力的でしたが、さきほど下風呂温泉を満喫したばかり。今度にしようと思い、山中を散策した次第です。

硫黄に白く染まった山は荘厳でもあり、怖くもありました。けれども、いちばん怖かったのは恐山からの帰り道です。なかなかの傾斜のワインディングロード。しかも一部雪の残っているところもありました。4WDでスタッドレスタイヤを履いていたとはいえ、未経験の道です。慎重に運転したのは言うまでもありません。

右に左に揺られながら愛犬は嘔吐し、ダッシュボードの上のペンやコインがコロコロします。対向車と会わなかったのがせめてもの救い。這う這うの体で下山しました。人の少ない季節に行くのは、空いていて独り占めできる反面、やはり何らかのリスクがあるのだと実感した次第です。

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